こんにちは!
今回は、クラフトビール好きの間で知らない人はいない、三重県伊勢市に本拠を構える「伊勢角屋麦酒(いせかどやビール)」の代表取締役社長、鈴木成宗(すずき なるひろ)さんについてご紹介します。
鈴木さんのビール造りへの情熱、発酵にかける想い、そして鈴木成宗さんが切り拓いてきた数々の挑戦を紐解いてみましょう。
鈴木成宗(伊勢角屋麦酒)の経歴
セット内容は、世界遺産登録から15年「熊野古道」を名に冠したビール『熊野古道麦酒』、伊勢志摩限定の『神都麦酒』『伊勢ピルスナー 』『神楽麦酒』と貴重なラインナップ!イベント当日は伊勢角屋麦酒代表取締役社長 鈴木成宗さんがゲストとして登場します🍺 pic.twitter.com/054T4YKoKG
— ビール女子 (@beergirl_net) April 20, 2020
鈴木成宗さんは1967年、三重県伊勢市に生まれました。
ご実家はなんと、1575年創業の老舗餅店「二軒茶屋餅角屋本店」。
創業から400年以上も続くこのお店は、伊勢参りの観光客に愛され続けた歴史ある餅屋さんです。
幼い頃から家業を手伝いながら、地元の文化や伝統に触れて育ったことが、鈴木さんのルーツとなっています。
大学進学後、鈴木成宗さんが選んだのは東北大学農学部。
ここで出会ったのが、「微生物」という奥深い世界でした。
発酵食品や酒造りに関わる微生物の働きに感銘を受け、「この小さな生き物たちが、人の生活や文化にこんなにも影響を与えるなんて!」と強く心を動かされたそうです。
この経験が、後のクラフトビール作りにつながる原点となりました。
家業への復帰と新たな挑戦
大学を卒業した鈴木成宗さんは、一度家業である二軒茶屋餅角屋本店に戻ります。
しかし、ただ「餅屋を継ぐ」という選択だけでは満足できなかった鈴木さん。
鈴木成宗さんの中には大学時代に抱いた微生物への興味と、「自分らしい何かを作りたい」という強い想いが残っていたのです。
そんな中、1994年に日本で「地ビール解禁」の動きがありました。
それまでは酒税法の規制が厳しく、小規模な酒造は許可されませんでしたが、規制緩和により少量生産のクラフトビールが可能に。
これを機に鈴木成宗さんは、「自分の手でビールを作る」という夢を本格的に追いかけ始めます。
1997年、ついに鈴木成宗さんは「伊勢角屋麦酒」を設立。
伊勢の地に根ざしたクラフトビールブランドの誕生です。
伊勢角屋麦酒とは?
🍺Neko Nihiki by 伊勢角屋麦酒 × Culmination Brewing
瓶やドラフトで何回か飲んだけど、缶も美味しい。トロっとした口当たりでホッピーで苦味も。今までで一番うまいかも! pic.twitter.com/B7TGdcsMTt— Joe Beerski (ジョー•ビアスキー) (@Joe_Beerski) January 13, 2025
伊勢角屋麦酒(ISEKADO)は、三重県伊勢市に拠点を置くクラフトビールのブルワリーです。
1997年に創業し、以来「伊勢から世界へ」を合言葉に、世界的なビールコンペティションで数多くの金賞を受賞しています。
伊勢角屋麦酒のルーツは、1575年創業の老舗餅店「二軒茶屋餅角屋本店」に遡ります。
大正時代から味噌・醤油の醸造を始め、その技術がクラフトビールの製造へと発展しました。
1997年にクラフトビールの製造を開始し、国内外のビールコンペティションで数多くの受賞歴を持つようになりました。
製品ラインナップ
伊勢角屋麦酒は、多様なビールスタイルを提供しています。
特に、柑橘系のホップの香り豊かなIPA(インディアペールエール)や、深い味わいのスタウトなどが人気です。
季節限定や小規模生産のビールも多く、ファンから高い評価を受けています。
受賞歴
伊勢角屋麦酒は、国内外のビールコンペティションで数多くの金賞を受賞しています。
特に2003年には、日本企業として初めて「Australian International Beer Awards」で金賞を受賞し、その後も「World Beer Cup」や「World Beer Awards」などで高い評価を受けています。
国際展開
伊勢角屋麦酒は、2023年秋からインドのウッタル・プラデーシュ州で現地生産を開始し、現地市場への展開を進めています。
将来的にはインド国内の他州にも展開する計画です。
店舗情報
伊勢角屋麦酒は、伊勢市内に直営のレストランを展開しており、樽生クラフトビール13種と三重県の食材を活かした料理を提供しています。
また、東京・八重洲や新橋にも店舗を構え、より多くの人々にその味を届けています。
鈴木成宗(伊勢角屋麦酒)の現在の活動
鈴木さんが大切にしているのは、「伊勢の地元文化」と「ビールの革新性」の両立です。
伊勢角屋麦酒のビールには、地元で採れた素材がふんだんに使われています。
例えば、地元産のはちみつやお米を使用したフレーバービールなど、その土地ならではの味わいが楽しめるのが特徴です。
また、ビールの醸造過程では、鈴木さんが大学時代から追求してきた「発酵」の力を最大限に活かしています。
特に注目すべきは、鈴木成宗さんが野生酵母の研究を続けていることです。
自然界に存在する酵母を活用することで、独自の香りや風味を持つビールを作り上げています。
こうしたチャレンジ精神が、伊勢角屋麦酒のビールを唯一無二の存在にしています。
受賞歴
伊勢角屋麦酒のビールは、その品質の高さで国内外から高い評価を受けています。
特に2003年、日本企業として初めて「Australian International Beer Awards」で金賞を受賞したのは、鈴木さんにとって大きな自信となりました。
その後も、2019年の「The International Brewing Awards」で「ペールエール」が2大会連続で金賞を受賞するなど、世界的なビールコンテストで次々と栄冠を手にしています。
こうした功績は、日本のクラフトビール界においても大きな快挙といえるでしょう。
博士号取得への道:発酵学への飽くなき探究
鈴木さんはビール醸造だけでなく、学術的な研究にも力を入れています。
2017年には、「野生酵母」をテーマにした研究で博士号を取得。発酵学の専門家としても知られる存在となりました。
鈴木成宗さんの研究は、単にビールの味を良くするだけでなく、発酵の可能性を広げるものでした。
これにより、「発酵野郎」というニックネームも生まれました。
愛情を込めてそう呼ばれるのは、鈴木成宗さんが発酵という分野でどれだけの情熱を注いできたかを物語っています。
本の執筆と発酵文化の普及
鈴木さんは、自身の経験や知識を伝えることにも力を入れています。
2019年には著書『発酵野郎!世界一のビールを野生酵母でつくる』を出版。
この本では、ビール作りに対する情熱や発酵の魅力、そしてこれまでの苦労や挑戦が語られています。
読者からは「発酵がこんなに面白いなんて知らなかった!」という感想が多く寄せられ、鈴木さんの発酵文化普及への想いが伝わっていることが分かります。
地元に愛され、世界に羽ばたくブランドへ
伊勢角屋麦酒は、地元の人々に愛されるだけでなく、その名を世界にも広めています。
鈴木さんは「伊勢の風景や文化をビールに込めることで、飲む人に伊勢を感じてほしい」と語っています。
また、地域とのつながりを大切にしており、地元の祭りやイベントへの協賛、観光客向けのビールツアーなど、さまざまな形で伊勢の魅力を発信しています。
まとめ
鈴木成宗さんの人生は、挑戦の連続でした。
家業を継ぐだけでなく、自らの興味を追求し、ビール作りという新たな道を切り開いた鈴木成宗さんの姿勢には、多くの学びがあります。
「伝統を守りつつ革新する」という言葉がぴったりの生き方ですね。
そんな鈴木さんのクラフトビールは、ただの飲み物ではありません。
一杯のビールに込められた地元愛、発酵への情熱、そして新しいことに挑む勇気。
それらが、飲む人の心を豊かにしてくれます。
次回、伊勢を訪れる機会があれば、ぜひ伊勢角屋麦酒を手に取ってみてください。
そこには、鈴木成宗さんの想いと、伊勢の風土が詰まっています。
そしてその一口が、あなたを新しいビールの世界へと導いてくれることでしょう。
以上、伊勢角屋麦酒の鈴木成宗さんの魅力をお届けしました!
ぜひ、クラフトビール片手に、鈴木成宗さんのストーリーを思い出してみてくださいね。
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